いつのことだろうか?
アレは確か、雨の日に池袋の本屋に立ち寄ったときだった。
角に設置してあるラックの中に「光の雨」という文庫本が山積みになっていた。
何気にそれを手に取ると、この小説が「あさま山荘事件」を元に描かれた作品だとわかった。
そういえば、先日、夕方のニュースで連合赤軍の事件を追う特集をしていて、凄惨な「リンチ殺人事件」があったことを放送していたっけ。
あさま山荘の籠城は、なんとなく知っていたが、仲間内でリンチ殺人が行われていたのは、その特集を観るまで知らなかった。
そこで画面に映ったのは、供述調書の中に残されている殺人現場を再現した、生々しい、凄惨なイラストの数々だった。
拙いタッチで丁寧に描かれた、殺害シーンの様子は妙にリアルで、何故か強烈に私の知的好奇心を刺激したのだった。
あれから、20年近く経つ。
その間に幾つかの作品が映画化されて「突撃せよ あさま山荘事件」や、先に書いた「光の雨」なんかもエンターテイメント作品として評価される時代になった。
その後「実録 連合赤軍 あさま山荘への道程」が作られ、あの事件の全容が、映画という形で陽の目を見るようにになった。
そして、山本直樹氏の漫画「RED」が出て、時代背景にある学生運動という革命や、ハイジャック事件や爆破テロなど、新左翼と呼ばれる活動家たちのことを知った。
気づけば、今度はあらゆる資料を集めるようになっていた。
私はそもそも世代ではないので、わざわざノンポリというのも憚られるが、それ故集める資料は、連合赤軍の事件当時資料や、警察機動隊の装備品など、多岐に渡ることとなった。
特に「連合赤軍事件の全体像を残す会」が刊行した「証言」の冊子は、当事者や実刑を受けて出所した者たちが、回想しながら多くを語られていたので、社会的にも「連合赤軍事件」が見直されていることを知った。
来年で、事件から50年という節目の年になる。
ここで、私の主張を展開することに意味はないと思うし、文章力のない素人が何を語っても、当事者ですらないので、誰もやっていなそうな、別の展開をして行きたらと思っている。
私が知的好奇心だけで集めたにしては、アホみたいに余りあるコレクションを、少しずつ紹介しながら、「連合赤軍」「あさま山荘事件」「警察機動隊」について語りたいと思います。
さらに、興味は「羽田闘争」から「三里塚」へ。
特に「三里塚闘争」に関しては、無知もいいところだったので、よくよく反省し、勉強しているところだ。
振り返ってみると、それ以前にまだ学生の頃に読んだ押井守氏の「犬狼伝説」や、専門学生の頃に観た映画「ケルベロス」。
そしてアニメ化された「人狼」など、その世界観に惹かれていたのが、切欠となっている気がしないでもない。
いや、私と同じように世代を越えて「ゲバルト時代」に惹かれる者は、一定数はいるだろう。
私を含めた同世代の者たちが、世代を越えてあの時代に何を求めているのか。
そんな答えが出たら幸いである。